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【障害年金事例)】全身性エリトマトーデス 30代・女性(専業主婦)

◆1.両股関節人工骨頭置換術施行、障害年金は?
公的窓口相談「厚生年金なら3級該当、国民年金なら無理!」

◆2.資料残存しているのに医師から受診証明もらえない!

◆平成19年 相談、申請
該当:20歳前の障害基礎年金2級17号(事後重症)

◇相談内容

「専業主婦です。30歳の時、大腿骨頭無腐性壊死で両股関節の人工関節置換術を受けました。仕事にも就けず、全身倦怠感がひどく日常生活がやっとの状態です。障害年金が該当にならないか公的窓口に相談しましたが、『厚生年金なら3級該当だけれど国民年金ならもらえません』と言われましたが・・・」

◇経過および結果

  • Y子さんからお聞きすると病状経過は、「幼少から病弱で1歳頃から病院に通い19歳の時全身性エリトマトーデスと診断され、ステロイド剤使用による治療を現在まで長期にわたり受けていること」が分かりました。そうするとY子さんの両股関節人工関節置換術は、長期のステロイド治療による副作用が原因とも推測されます。
  • 主治医により、両股関節人工関節置換術の原因は「全身性エリトマトーデスに対するステロイド剤投与」と確認できました。初診日は、大腿骨頭無腐性壊死の治療で受診した30歳頃ではなく、ステロイド剤治療を受けていた幼少期〜19歳頃になります。
  • Y子さんは一度窓口で「国民年金なら無理!」と言われたましたが、「20歳前の障害基礎年金」の請求を行うことにしました。
  • 医療機関の受診証明をとる作業も大変でした。幼少からお世話になっていた顔見知りのK医師を訪ね、証明をお願いしたところ、資料は間違いなく残っているのに拒否されてしまったからです。Y子さんは、「受診状況等証明書が添付できない理由書」を準備し、医療機関に間違いなく証明資料が残っている旨を書き添え、その時のK医師とのやりとりを綴った「申立書」を添付し申請しました。
  • 落ち着かない日々を過ごしましたが2ヶ月後、Y子さんに「障害基礎年金2級17号」の年金証書が無事届きました。

◇Y子さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

  • 公的窓口に「下肢障害」で相談したところ、私の症状は厚生年金だと該当するが国民年金だと不該当と言われました。色々な事を考慮しての説明かもしれませんが、様々なケースがあるのであれば窓口の相談員は、きっぱり言い切るのはどうかと思います。相談する側は、その分野に全く無知な者がほとんどだと思うので、もっと丁寧な説明があっても良いのではないでしょうか。しかも私は、窓口で不該当と言われたにも関わらず、結果は該当でした。
  • 役所の窓口を利用した印象は、なるべく年金は出したくないという感じを受けました。相談に来る人の立場になって考え、相談にのってもらいたい。見た目は健康そうに見えても、病気や障害を持って生活している大変な人は沢山いるということを理解してもらいたいです。

◇ここをチェック!

障害認定基準(要領)から抜粋

  • 「一下肢の3大関節のうち、1関節又は2関節に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したもの又は両下肢の3大関節のうち、1関節にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定するが、そう入置換してもなお「一下肢の用を全く廃したもの」程度に該当するときは、さらに上位等級に認定する。」
  • 今回の相談は、2つ考えさせられる場面があります。公的窓口でのアドバイスのあり方と、医療機関で資料が残っているにも関わらず医師が証明を拒否した態度です。
  • 第1に公的窓口でのアドバイスです。Y子さんは、両股関節の人工関節置換術で障害年金該当の可能性を相談しました。ステロイドの投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死が生じた場合は、因果関係ありとして取り扱われますが、Y子さんにそのような取り扱いが分かるはずもなく当然の相談内容です。窓口担当者は、「厚生年金なら3級該当だけれど国民年金ならもらえません」としか回答していません。しかし病状の程度によっては上位等級に該当の可能性も考えられますし、ステロイド剤使用による副作用が原因と判断されれば因果関係も含めて初診日や障害認定日の扱いが大きく変わってきます。障害を負いながらの生活を余儀なくされた人にとって障害年金が該当になるかどうかは大変重要な問題です。Y子さんが指摘するように、担当者には病状経過を詳しく聴き取り、相談内容に適した「丁寧な説明」が求められるべきです。
  • 第2に、資料残存にも関わらず受診状況の証明を拒否した医師の態度です。今回は受診が20歳前であるという事実を、医師とのやりとりも盛り込んだ詳細な「申立書」で証明しましたが、受診が証明できずに申請自体ができなくなる場合もあります。医師のモラルも問われる大きな問題です。残念ながらK医師のような方もいますが、きちんと状況を聞いて相談にのってくれる医師もいます。医師の証明がとれない場合は、あきらめずに他の方法も検討し、何とか請求に結びつけましょう。

【不服申し立て(審査請求)】障害厚生年金3級支給停止 僧帽弁狭窄症 50代・女性

◆障害厚生年金3級をもらっていました

平成19年 支給停止決定の通知が届きました
理由:障害の程度が基準より軽くなったため

◆平成19年 不服申し立て(審査請求)
不服申し立てが認められる(審査請求取り下げ)

◇相談内容

「僧帽弁狭窄症で治療を受けていて11年前から障害厚生年金3級をもらっています。今回『障害の程度が国で決めた基準に該当しなくなったため支給停止とする』旨の通知が届き驚いています。私の症状は以前と全く変わらないのに納得いきません。審査請求を考えています」

◇経過および結果

L子さんは、「年金の支給を停止しました」という内容の支給額変更通知書と、既に取り寄せた審査請求書類を携え来所されました。診断書のコピーを国の障害等級基準と比較しながら見ていくと、検査数値は前回の診断書よりわずかに改善されていました。しかしL子さんとしては「症状は全く変わらないのに、いきなり国の基準に該当しなくなったから支給停止としました、はどうしても納得いきません」と審査請求する気持ちに変わりのないことを重ねて述べられました。主治医からのアドバイスや日常生活状況の詳細な聴き取りを重ね、L子さんの気持ちが伝わる事を願い審査請求の作業を進めました。5週間後、「L子さんの不服申し立てを認めます(審査請求を取り下げてください)」と連絡が入りました。

◇L子さんからの一言(実際に不服申し立てを取り組んで)

  • 自分の日常の状況を具体的に社労士さんに伝えることが大事と思いました。私は簡単な日記をつけていたことが良かったです。これから申し立てを検討している方へは、 諦めずに作業することをお勧めします。
  • 審査官の方がもう少し親身な対応をして下さるようになってほしいと思います。また、社会保険庁の電話での相談対応も事務的で冷淡でした。

◇ここをチェック!

L子さんのように自分の受けた処分に納得がいかない場合は、その処分があったことを知った日の翌日から数えて60日以内に不服申し立てを行うことができます。これを「審査請求」といいます。審査請求は社会保険審査官に対して行います。文書でも口頭(電話等)でも大丈夫です。審査請求をしてもなおその決定に不服がある場合は、社会保険審査会に対して「再審査請求」を行うことができます。それでも不服の場合は、裁判で決着をつけることになります。

【ケース】統合失調症 20代・女性

平成17年家族が娘さんの障害年金を請求

書類を受け取ってもらえなかった!
理由:保険料をきちんと納めていなかったため

平成19年改めて申請
該当:20歳前の障害基礎年金2級16号 (事後重症)

◇相談内容

「統合失調症の娘T子の相談です」とご両親揃って相談に見えました。「娘は高校卒業 後すぐに親元を離れ、予備校そして大学へ進学しました。向学心は旺盛でしたが、都会生活になじめず精神的に不安定となり中退しました。4年前に実家へ戻り、23歳から精神科で治療を受けています。障害年金制度を知り申請しましたが、受け付けられないと言われました」

◇経過および結果

  • 「窓口で言われた通りの書類を準備し提出したのに、結局申請できないと言われ書類も受け取ってもらえませんでした。やはり無理なのでしょうか?」とご両親は納得のいかない様子で話され、戻された書類とT子さんの日常生活を綴った「メモ」を持参されました。
  • 精神科を受診した初診日は、23歳と確認できました。保険料は20歳からきちんと納めた記録となっていましたが、初診日以降にまとめて納めていたことがわかりました。残念ながら、請求可能かどうかを判断する一定期間の保険料を初診日以降に納めた場合は、障害年金の請求ができません。
  • しかしご両親のお話や「メモ」から、症状は既に親元を離れた頃から出現していたとも推測されました。その後の作業で、19歳の予備校時代に体調不良で内科を短期間受診していたことが確認できました。20歳前に初診日があると認められれば、保険料納付要件は問われませんので申請が可能となります。その当時「心の病」の診断はついていませんでしたが、主治医にもその旨をお伝えし診断書作成を依頼し改めて申請を行いました。2ヶ月後お母さんから「20歳前の障害基礎年金2級に該当しました」とうれしい便りが届きました。
◇ここをチェック!

障害年金認定基準より(抜粋)

  • 「初診日とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。」
  • 「・・・精神の障害は、多種であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様である。したがって、認定に当たっては具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断するとともに、その原因及び経過を考慮する。」
  • 20歳前に初診日がある場合は、保険料を納めたかどうかは問われません。障害の程度が障害等級(1級か2級)に該当するようであれば「20歳前の障害基礎年金」が請求できます。
  • 精神疾患の場合は、体調不良で内科を受診したり幻聴などで耳鼻科を受診し、その後精神科を受診する場合もあります。その場合「初診日」は、関連があれば最初に内科や耳鼻科を受診した日です。専門医にかかった日が初診日ではありません。本人や家族が精神疾患と気づかずにいくつもの科を受診したり、長期に中断したりする場合もあります。「初診日」を判断するには慎重な確認が必要です。
  • 今回障害年金に結びついた要因は、娘さんの日常生活状況を綴ったご両親の「メモ」でした。「メモ」を頼りに、10年前の19歳当時の「受診状況等証明書」を取り寄せることができ、診断書作成依頼をお願いした主治医にも経過をお伝えすることができたからです。そしてなによりも諦めずに 4 時間をかけて遠路相談に来られた、ご両親の娘さんを思う気持ちが伝わったのだと思います。

【不服申し立て(審査請求)】傷病手当金双極性感情障害 30代・女性

平成17年傷病手当金をもらって治療していました

途中で不支給の通知が届く
理由:病院で治療を受けていないため

平成19年 不服申し立て(審査請求)
不服申し立てが認められる(審査請求取り下げ)

◇相談内容

「双極性感情障害(気分障害、躁うつ病)で、傷病手当金をもらって治療を続けていましたが、3ヶ月目以降の分を不支給とする旨の通知が届きました。理由は、「病院で治療を受けていないため」とありました。確かに受診が途切れた期間はありましたが、現在も通院していて主治医からも長期治療が必要と説明されています。不支給の通知に納得がいかないのですが・・・」

◇経過および結果

  • 「今日は比較的体調が良い方です」と、少し緊張してS子さんは来所されました。お話を伺うと、受診が途切れた理由は症状が悪化し体調を崩して外出などできる状況になかったこと、病気の性質を是非理解してもらいたいこと、病気が原因で退職を余儀なくされたこと等々を切々と話されました。相談の結果、不服申し立て(審査請求)を行うこととなり早速準備に取りかかりました。
  • 今回は必要書類が整い審査請求するまでに5ヶ月という長期間を要しました。理由は、S子さんの「双極性感情障害」という病気の症状からくるものです。体調が比較的安定している時期は作業が順調に進みましたが、一旦体調を崩すと連絡が途絶えてしまったからです。病状を考えると催促はできません。作業は何度か中断しましたがそれでも無事請求にこぎつけました。2ヶ月後「S子さんの不服申し立てを認めます(審査請求を取り下げてください)」と連絡が入りました。
  • S子さんは傷病手当金をもらい終わった後も症状が続いていたので、障害厚生年金の請求を行い「3級」に該当しました。現在は軽作業の仕事に就きながら、少しでも以前の生活状態に戻れるようにと治療を続けています。

◇ここをチェック!

  • S子さんのように自分の受けた処分に納得がいかない場合は、その処分があったことを知った日の翌日から数えて60日以内に不服申し立てを行うことができます。これを「審査請求」といいます。審査請求は、社会保険審査官に対して行います。文書でも口頭(電話等)でも可能です。審査請求をしてもなおその決定に不服がある場合は、社会保険審査会に対して「再審査請求」を行うことができます。それでも不服の場合は、裁判で決着をつけることになります。
  • 労働者が業務外の病気やケガで会社を休み一定の条件を満たせば「傷病手当金」が該当になります。病気やケガの原因が業務上の場合は、「労災保険の制度(療養補償給付や休業補償給付等)」が活用できます。傷病手当金は1年6ヶ月が限度ですので、その後も症状が続き条件を満たせば障害厚生年金の申請ができます。
  • 働く現場で「心の病」が増加し大きな問題となっています。厚生労働省によると、日本では一生のうち15人に1人の割合でうつ病の可能性があると指摘されています(厚生労働省地域におけるうつ対策検討会平成16年)。日本経済新聞2007年8月26日付は「うつ病対策自治体が力」の記事を大きく取り上げ、「最悪の場合自殺につながる可能性がある」と警鍾しています。北海道新聞2007年9月7日付は「地方自治体に『心の病』増加」の見出しで、社会経済生産性本部の行った今年4月全ての都道府県と市区町村を対象に実施した727自治体のアンケート結果(回答率38.8%)を載せています。それによると自治体職員の「心の病」は、年齢層では30代が34.4%で最多であったと伝えています。成果主義の導入で、職場の人間関係がぎすぎすしてきているともいわれています。国をあげての早急な抜本対策が必要です。

【障害年金事例】 クローン病  K男さん 30代・男性

平成16年 自分で、障害厚生年金を申請

不支給!
理由:障害の程度が軽いため

平成19年 相談、再度請求
該当:障害厚生年金3級12号(認定日請求・遡及年金)

◇相談内容

「平成12年からクローン病で入退院を繰り返しています。私はサラリーマンで、職場は病状に理解があるのでなんとか勤務可能の状態です。現在まで、入退院を繰り返しながらの生活が何度か続いています。自分で障害厚生年金を請求したところ「症状が軽いので不支給!」とされましたが症状を考えると納得いきません。」

◇経過および結果

K男さん(技術職・フレックスタイム勤務)にお会いしたとき、外観上は障害を負っての生活を余儀なくされているとは見えませんでしたが、日常生活状態や治療内容をお聞きすると、「症状が軽い!」とは考えられませんでした。お話や持参した資料を検討の結果、障害認定日の「診断書」や、自身で作成した「病歴・就労状況等申立書」に不足がある可能性が考えられました。K男さんと病状経過をもう一度整理しながら、再度書類を準備しました。「年金証書が届きました」と連絡が届いたのは3ヶ月後、障害厚生年金3級12号、遡及した年金に該当しました。

◇K男さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

自分で取り組んで不支給決定となった時は、体調面や「病歴・就労状況等申立書」作成で社会保険事務所とのやりとりが肉体的・精神的に大変でした。今回、請求するか否かの判断や書類の書き方等、専門家からのアドバイスは非常に役立つと思いました。

◇ここをチェック!

  • 「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」は、該当の可否を決定する大事な書類です。「診断書」は医師に作成を依頼しますが、その際は提出期限内の「症状が一番重い状態」のタイミングのものを依頼することが大事です。また「病歴・就労状況等申立書」は、「診断書」と初診日等の各年月日が一致し、内容に整合性があることが必要です。
  • K男さんは、通院しながら現在も同じ職場で勤務しています。フレックスタイムという勤務形態および職場のみなさんの病状に対する理解が、病気を抱えながらの生活を余儀なくされているK男さんにとってなによりの環境と思います。

【障害年金事例】 循環器(僧帽弁狭窄症)  M子さん 40代・女性

平成18年 ホームページ「相談窓口」より

平成19年 相談・請求
該当:障害厚生年金3級12号(認定日請求・遡及年金)


【障害年金事例】 肝硬変症(C型) C子さん 60代・女性

平成18年 すでに老齢厚生年金を受けている方

相談・請求
該当:障害厚生年金3級12号(認定日請求・遡及年金)


【障害年金事例】 統合失調症 F男さん 30代・男性

平成18年 ホームページ「相談窓口」より

平成19年 相談・請求
該当:障害厚生年金2級16号(事後重症)


【障害年金事例】 人工透析 64歳・女性

平成13年 公的窓口で相談
民間の生命保険用診断書を持参し相談

請求できない
理由:保険料納付不足のため

あきらめていたが実際は請求できた!
理由:初診日のアドバイスに誤解があり、保険料納付条件は満たしていた

平成18年 該当:障害基礎年金2級15号(事後重症)

◇相談内容

平成12年から人工透析を受けています。障害年金がもらえないか窓口に相談に行きましたが、「保険料を納めている期間不足でもらえない」と言われました。46年前に結婚してからずっと専業主婦です。もう一度調べてもらうことはできますか?

◇経過および結果

  • N子さんが窓口相談時に持参したという、民間の生命保険会社に提出した診断書のコピーを拝見しました。初診日は平成12年、同年人工透析導入。「発病から初診までの経 過」欄には、「前医にて腎不全のため加療を受け・・・」とありました。私はN子さんに、窓口で相談したとき平成12年以前の医療機関を調べるようにアドバイスがなかったか尋ねました。「そんなアドバイスは受けていません」、N子さんの回答でした。
  • N子さんの初診日は、平成12年ではなくてそれ以前に腎臓病で治療を受けていた時点です。説明がなかったということは窓口担当者が、初診日を生命保険会社が使用する診断書に記入された平成12年と判断し、保険料納付条件の有無も判断した可能性が考えられました。正確な初診日が特定できると、保険料納付条件も変わってきます。そうするとN子さんが障害年金をもらえる可能性も出てきます。事情を説明し、再度調査を開始しました。その後、初診日は平成9年と判明。既に廃業していた、当時の医師を捜し出し、「初診日」証明をなんとか手に入れる事ができました。2ヶ月半後、無事障害基礎年金2級15号(事後重症)に該当しました。

◇N子さんのご主人からの一言(実際に請求を取り組んで)

社会保険事務所は不親切である!

◇ここをチェック!

障害年金認定基準(要領)より

  • 「「初診日」とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。」 
    「人工透析療法施工中のものは2級と認定する。なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。」
  • N子さんのケースは、相談窓口で初診日の解釈に誤解があったことにより適切なアドバイスがされず、結果的に保険料納付条件の取扱いに誤りがあり、一度「年金はもらえない!」とされた事例です。
  • N子さんからの相談は、私にとって忘れられないケースとなりました。2006年9月 再調査のため私もN子さんに同行しましたが、その際窓口担当者の対応のひどさを私自身が目の当たりにしたからです。担当者は命令口調で、資料の一部は提供を拒否、最後はよく調べもせず「もらえない!」と平然と言い放ったのです。提供された資料を調査し、それを根拠に翌日再度訪れようやく請求可能であることを認めさせました。何ともあきれた対応でした。この経験を通して痛感したのは、障害者本人が一人で相談に出向き同じ対応を受けたらどうなるかということです。相談者は、担当者から高圧的な誤った説明を受け、資料の理解は十分できず「年金はもらえない」と、とどめを刺されるのです。「落 胆と共に2度と行くまい!」と思うに違いありません。その結果もらえるかもしれない年金を手にできない人もでてきます。障害年金をもらえるかどうかは、障害を負った後の生活保障を考えると非常に重要な問題です。担当者には丁寧な応対、正確な情報提供を心から望むものです。 N子さんのご主人の「社会保険事務所は不親切である!」は、まさしく一部始終を体験した方の憤りも込めた一言といえるでしょう。
  • 請求後まもなく、N子さんは65歳を迎えました。障害基礎年金の他に老齢基礎年金をもらう資格もできました。N子さんは、障害基礎年金を選択しました。理由は、年金額が老齢基礎年金より30万円多いからです。現在、週3回人工透析に通っています。

【障害年金事例】 筋ジストロフィー 45歳・男性

平成18年 公的窓口で相談
「受診状況等証明書」を持参し相談

平成19年以後でないと請求できない
理由:まだ障害認定日に到達していない

実際はすぐに請求できた!
理由:初診日の解釈に誤解があり、障害認定日には到達していた

平成18年 該当:障害厚生年金2級15号(認定日請求)

◇相談内容

つい最近、就労時の動作緩慢などを理由に職場をリストラされました。自分でも他の人と比べ動作がおかしいと感じ数年前から内科・脳神経科・整形外科・神経科といくつかの病院に通っていました。しかし病名がはっきりせず、最近になって「筋ジストロフィ ー」という確定診断がつきました。障害年金をもらえないかと自分で請求の準備をしていましたが病状による辛さもあり、今回新聞で「無料相談会」の記事が目にとまって相談にきました。「受診状況等証明書」を持ってきました。

◇経過および結果

L男さんとの出会いは、北海道難病センターで社労士有志で開催した「障害年金無料相談会」の会場でした。筋ジストロフィーの病状からくると思われる歩行障害と若干の言語障害が見受けられました。話をお聞きしていく中で、持参した「受診状況等証明書」の初診日がもっと前にさかのぼる可能性が出てきました。L男さんに事情を説明し、医師へその旨を相談する文書を作成し、再度「受診状況等証明書」を取り寄せ手続きを行いました。3ヶ月後、障害厚生年金2級15号に該当(認定日請求)しました。

◇ここをチェック!

障害認定基準(要領)より

  • 「肢体の機能障害で、・・・進行性筋ジストロフィー等の多発性障害の場合は、関節個々の機能による認定によらず、関節可動域、筋力、日常生活動作等の身体機能を総合的に認定する」
  • 診断書には、検査数値はもとより日常生活能力や労働能力、予後も含めてきちんと病状が反映されるよう医師に協力をお願いしましょう。
  • L男さんが最初に用意した「受診状況等証明書」は、初診日の解釈に誤解がありました。 もし気付かずにそのまま請求していたら、L男さんの請求は障害厚生年金でなく障害基礎年金でした。厚生年金と国民年金では、もらう条件や年金額が変わってきます。初診日をきちんと確認することが非常に重要と毎回痛感させられます。
  • L男さんは、相談に来られた直前に会社をリストラされました。中学生の子供さん二人を抱え今後の生活を非常に悩んでおりました。今回、障害厚生年金2級に該当し本当に喜んでおられ年金証書が届いた直後に「届いたよ!」と連絡が入りました。一日も早く体調に見合った適切な仕事に就けることを願っております。

【障害年金事例】 大腿骨骨頭骨折・人口骨頭そう入置換 35歳・男性

昭和63年 公的窓口で相談
交通事故時の診断書を持参し相談

もらえない可能性が大きい
理由:不明

実際は請求可能!
理由:人口骨頭そう入は、障害等級3級に該当

平成18年 該当:障害厚生年金3級15号(事後重症)

◇相談内容

18歳で就職、2ヶ月後に交通事故で左大腿骨頭骨折し人工骨頭置換手術をしました。以前障害年金の相談に役所の窓口に行きましたが「もらえない可能性の方が大きい」と言われあきらめていたところ、たまたま話をお聞きする機会があり、もしかしたらと思いました。現在35歳で、事故から17年も経過していますが障害年金はもらえないでしょうか?

◇経過および結果

N男さんは、ある講習会に参加していて、その時私が話題にした障害年金の話が耳にとまったようです。後日相談に来られ今回の請求となりました。残っていた診断書のコピーを頼りに17年前の記憶をたどり悪戦苦闘し書類を整えました。3ヶ月後、障害厚生年金3級12号に該当(事後重症)しました。

◇N男さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

  • 私の場合、かなり過去に遡る必要があったため当時の資料や書類を集めるのが大変で多少お金もかかってしまいました。
  • 「可能性が少なくても、少ないと言われてもあきらめないで欲しい!」、現在請求を検討している方へはこうアドバイスしたいです。
  • これからも私のような相談者をどうか助けてあげて欲しいと思います。

◇ここをチェック!

障害認定基準(要領)から抜粋

  • 「一下肢の3大関節のうち、1関節又は2関節に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したもの又は両下肢の3大関節のうち、1関節にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入 置換したものは3級と認定するが、そう入置換してもなお「一下肢の用を全く廃したも の」程度に該当するときは、さらに上位等級に認定する。」
  • N男さんの事故は、18歳で厚生年金加入中でした。もし事故が、N男さんが18歳で学生生活中の出来事だったとしたら2級以上の障害程度に該当しなければ障害年金はもらえなくなります。初診日の加入状態が、国民年金か厚生年金なのかは障害年金をもら う場合大事な判断条件となります。
  • N男さんは現在運転手として働いていますが、外観上は健常者と変わりなく他の人になかなか日常生活での大変さが理解してもらえないもどかしさがあると話していました。 また、寒くなると体が硬くなり特に手術部分が辛いともお聞きしました。北海道はこれから冬本番です。なんとか元気に乗り切ってもらいたいものです。

【障害年金事例】 神経性難聴 40歳 女性

平成18年
知人から「障害年金」制度を聞き、耳の障害も該当になるか相談に来ました

平成18年 該当:障害厚生年金1級2号(認定日請求)

◇相談内容

数年前からめまいや耳鳴り、吐き気が出現。吐き気等の症状が重いときは、日常生活が 大変です。たまたま知人から、「障害年金はもらえないの?」と言われ相談に来ました。

◇経過および結果

「知人から紹介されました」と、D子さんは来所されました。初診日は厚生年金加入中と判明。6箇所の病院を転々とし、めまい症、メニエル病などの病名がついた後、神経性難聴と診断された経緯がありました。「めまいや吐き気がひどいときは本当に辛いんです」と、切々とお話ししていたD子さん。障害厚生年金1級2号の年金証書が届いたのは請求してから1ヶ月と数日経っての事でした(認定日請求)。

◇D子さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

窓口で、「結果が出るのは3ヶ月半くらいかかります」と説明がありました。こんなに早く年金がもらえるとは思いませんでした。

◇ここをチェック!

障害認定基準より

  • 「1級:両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの」
  • D子さんの検査成績は、これ超える重い数値でした。診断書に記載される検査成績は、 障害年金該当の有無を左右する大事な記載事項です。1ヶ月と数日という早さで年金証書が届いた理由は、こんなところが関係したのかもしれません。
  • D子さんは現在、日常生活では補聴器を利用、突然襲うめまいや吐き気は服薬でなんと かコントロールしています。「車運転中にめまいや吐き気の症状が出た時は大変です」 とお聞きしました。事故にもつながりかねません。十分注意し、少しでも落ち着いた日 常生活である事を願っています。

【障害年金事例】 統合失調症 33歳・女性

■相談内容

「娘A子(統合失調症)の障害年金を請求しましたが、不支給の決定通知書が届きました。親も年を取り、子どもの将来を考えると非常に不安です。どうにかならないでしょうか?」

■相談結果

こう訴えてA子さんのお母さんは、2年前の不支給決定通知書のコピーを送ってきました。拝見すると、不支給の理由は「保険料納付期間不足のため」とありました。お話を伺うとA子さんの初診日は20歳前。そうすると保険料納付要件は問われません。不支給の決定の時は、初診日が31歳で請求していました。「頑張ってその当時の証明書類を揃えて再度請求してみましょう!」とお伝えしました。その後ご両親の再請求に向けての努力が続きました。診断書と同じく重要な「病歴・就労状況等申立書」は、ファックスや郵送で5回におよぶアドバイスをお聞きいただき作成にこぎつけました。2ヶ月後、障害基礎年金2級の年金証書が無事届きました。

■A子さんのお母さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

  • 複数の医療機関にかかりましたが、その都度病名が違うため初診日の確定が素人では判断できませんでした。
  • 発病が17歳、請求が33歳と16年も時間経過があり、最初の病院ではカルテが廃棄されていて証明してもらえず非常に困りました。

■ここをチェック!

20歳前の病気が原因の障害年金の請求を何年も経過後行う場合は、初診日がいつかを確定し証明することが非常に重要になってきます。

【障害年金事例】 人工透析 52歳・女性

■相談内容

「死ぬぐらいに悪くならなければ、障害年金はもらえないよ!」相談窓口で言われました。

■相談結果

国民年金加入で人工透析中のB子さんが、市役所の相談窓口に出向いたとき担当者から返ってきた回答です。平成11年のことでした。おそらく担当者は、「障害の程度が障害等級に該当するような状態にならなければもらうことは無理ですよ」ということを伝えたかったのだと思いますが、透析を受ながら体調不良を押してやっとの思いで相談に行ったB子さんにとってはずいぶんとつらいやりとりだったと思います。その人工透析の扱いが平成14年4月から法改正で、今までの障害等級3級から障害等級2級となりました。これでB子さんにも道が開けました。障害等級2級に認定されると、国民年金の障害基礎年金を受けられるからです。相談窓口でつらい思いをしたB子さんに障害基礎年金2級の年金証書が届いたのは請求後2ヶ月たってのことでした。さらにB子さんは、平成11年当時から障害等級2級の状態ということが確認でき、さかのぼって5年分の年金が一度に振り込まれました。

■B子さんからの一言(実際に請求を取り組んで)

  • 直接、年金相談窓口へ出向いて2回(平成11年と平成17年)相談し、2回とももらえないといわれましたが、症状を考えると納得できずに相談しました。今回もらえるようになり本当に助かりました。
  • 病歴の経過や生活状態など、忘れかけていたのを思い出しながら書類を揃えるのが大変でした。

■ここをチェック!

障害年金が該当になるには、「障害の程度が国で認める障害の重さ」に該当していなければなりませんが、該当になるかどうかを判断するのは専門の認定医などです。相談窓口で障害の程度を判断し「該当」、「不該当」の結論を出し請求を受け付けないということは許されません。受け取れないためのアドバイスでなく、受け取れるためのアドバイスをぜひ望みたいものです。

【障害年金事例】 総合失調症 39歳・男性

■相談内容

「息子C男(統合失調症)の障害年金を請求しましたが、保険料を納めている期間が不足で不該当と言われました。最近はずっと納めています。障害年金は全く無理でしょうか?」

■相談結果

C男さんのお父さんからのご相談です。C男さんの初診日は、20年近く前の平成元年。その当時、保険料納付要件は「基準月」で判断しました。そうするとC男さんは、保険料納付要件を満たしていることが確認できました。最初にかかった病院を探しだし、証明書などの書類を整え年金請求を行いました。無事障害基礎年金2級に該当しました。

■ここをチェック!

現在、保険料納付要件は@原則「2/3要件」を満たすことA特例として平成28年3月31日以前の初診日は「直近1年要件」を満たすこととなっていますが、昭和61年4月1日から平成3年4月30日までに初診日がある場合は、「基準月」という考え方で見ます。保険料を納めているかどうかの判断は、原則「2/3要件」一つではありません。一つの条件がだめでも別の条件で年金が受けられる可能性がないかきちんと確認しましょう。

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